Dec 21, 2009
データの徹底的なとレンタルサーバー
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東京電力福島第1原発事故後、全国で「脱原発」の動きが高まっている。県内でも、御坊市の柏木征夫市長が使用済み核燃料中間貯蔵施設の誘致に否定的な見解を示すなど、首長や議会が世論に配慮した姿勢をとる。私はかつて、石川県珠洲市の原発立地計画を巡る推進派・反対派の対立や、計画断念までの経緯を取材し、反対していた農林漁業者らの「子や孫に平和な暮らしを送らせたい」との思いを肌で感じた。事故の危険性を考えると、今こそ脱原発に取り組む時ではないか。【山中尚登】
御坊市議会は04年に特別委員会を設置し、勉強会などを開催した。誘致の可能性について昨年、関西電力から意見聴取したところ、同社は「立地の可能性はある」との回答を示した。特別委は「同社の意思を確認し、役割を終えた」として同年3月に廃止された。
だが、福島第1原発事故後、核関連施設を巡る状況は一変した。今月16日の市議会一般質問で、柏木市長は「核燃料に頼るまちづくりは全く考えていない。市民合意などがないと、検討にも入れない」との見解を示した。
一方で、誘致に反対する御坊市や日高郡の住民らでつくる「日高原発・核燃料貯蔵施設誘致反対30キロ圏内住民の会」(中西敏・代表世話人)は今月13日、誘致しないことを求める請願書を市議会へ提出したが、不採択とされた。中西代表世話人は「関西電力から立地の申し入れがあれば、議会は対応を検討するという。議会が誘致を容認すれば、将来、施設が設置される可能性がある」と心配する。
また、美浜町議会は17日、「核関連施設設置に反対する」決議案を全会一致で可決した。日高郡市での使用済み核燃料中間貯蔵施設を含め、核関連施設の設置は断固反対するなどとして、周辺市町への誘致をけん制する。
日高町の中善夫町長は就任後に2回、原発立地計画の即時中止を同社に申し入れた。中町長は21日の町議会一般質問でも、「原発に頼らない町政を築く。立地には首長の同意が必要で、町での立地は不可能だと確信している。火種は消えたと思う」と答弁した。
脱原発の機運が高まる中、県内各自治体・議会などの原発・核関連施設の誘致に対する見解は一致しているとはいえない。事故が起きた時、一番の被害者になる住民は、電力会社や自治体・議会の動向や対応に目を光らせている。3者は判断を誤らないように慎重な対応を検討してほしいと思う。
6月26日朝刊
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東日本大震災から3カ月半。鬱(うつ)や不眠症を抱える被災者への心のケアが重要視される中、ストレスなどによる被災者の大量飲酒やアルコール依存が懸念されている。被災地で支援に当たる国立病院機構「久里浜アルコール症センター」(横須賀市野比)の樋口進院長は「被災地では、もともと飲酒習慣のある人の酒量が増える恐れがある」と指摘。1995年の阪神大震災では、大量飲酒が原因とみられる孤独死が多数確認された。重症化を回避するための継続的な支援が求められている。
同センターは岩手県の要請を受け、3月下旬から同県大船渡市に「こころのケアチーム」を派遣。医師や看護師、臨床心理士らでつくる3〜4人のチームを編成。各班が5日間前後の交代で現地に入り、避難所や自宅を巡回、被災者の精神的ケアに当たっている。
被災者の飲酒をめぐる問題が顕在化したのは5月中旬ごろから。コンビニやスーパーの復旧で酒類が手に入りやすくなったほか、被災者が抱える不安や孤独感、長期化する避難所生活で募るストレスなどが背景にある。
樋口院長によると、「生活が少し落ち着いてきて初めて、津波で家族や住まいを失った厳しい現実に直面する」。震災直後の混乱状態からしばらくたったころに、鬱や心的外傷後ストレス障害(PTSD)が起こりやすくなるという。これらは大量飲酒やアルコール依存に直結しやすく、健康や対人関係を害する危険性が高い。
大船渡市のある避難所では60代の男性が朝から酔っぱらい大声を出し、酒が原因で他の被災者と口論になるトラブルが起きた。樋口院長は「憂鬱を紛らわせるためにアルコールに頼ってしまう結果」と話す。
避難所でのトラブル以上に懸念されるのが、仮設住宅での単身被災者の飲酒だ。仮設住宅は避難所のように周囲の目が行き届かず、飲酒に歯止めをかける存在がない。支援者は、孤立感が高まるにつれて酒量が増え、孤独死に発展する最悪のケースに危機感を持つ。
阪神大震災後、兵庫県内の仮設住宅では、99年5月までに約250人が孤独死した。神戸大学大学院の上野易弘教授の調査によると、病死者(212人)の死因のうち、約30%が肝疾患で、そのほとんどがアルコールに起因する肝硬変だった。肝疾患による病死は、震災で家や職を失った40〜60代の男性に集中したという。
「阪神大震災の二の舞いを踏んではならない」。新たな犠牲者を出さないために、樋口院長は「仮設住宅への移行が進んでいる今こそ被災者一人一人にきめ細かなケアを行い、飲酒問題の兆候を早期発見することが重要」と話している。
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